図書館で本を借りまくって読んでいる。借りた本は2週間以内に返さないといけない。そして、次々と本を予約してるため、サッサと読まないと本が溜まっていくので大変だ。
そんな読書地獄の中、どうしても読みたくて借りた本がこれだ。
「地獄の楽しみ方」京極 夏彦 (著)
またしても私が大好きな小説家、京極夏彦氏の本。面白過ぎて1時間少しで読破した。
この本は2019年7月27日に一般公募の15〜19歳の聴講生50人を対象に行われた特別授業の内容を本としてまとめたものだ。
面白い。面白すぎる。私も特別授業に参加したかった。年取り過ぎてるから無理だけど。
内容は2部構成になっている
第1部「言葉の罠にはまらないために」
第2部「地獄を楽しむために」
どちらも面白いけど、第1部「言葉の罠にはまらないために」をぜひ読んで欲しい。
言葉とはいかにあやふやなもので、受け手によって如何様にも変わってしまうということがよくわかる。
例えば、
特に恋愛においては「気持ちを言葉にしてくれないとわからない問題」がよく勃発する。男女のいざこざは、おおかた気持ちを言葉にしてくれないことから起こる。
でも、実際には自分の中にある気持ちを、正確な言葉にできる人はこの世の中には誰もいない。今の世の中にある言葉で「当てはまりそうなもの」にとりあえず置き換えて言っているだけだ。
「好き」と言ったところで、あなたの中にある気持ちの全部を表現できているかといえば違うだろう。人の感情とはかなり複雑なものである。簡潔に言い表せるものではない。
人は自分の気持ちの全部を言葉にはできないのだ。そのため、伝わらなくて当然ということになる。
これは良くわかる。好きだけど、好きじゃない。好きじゃない訳じゃないけど、嫌いとは違う。自分でも本当は何なのかがよくわからない。でもそれを言葉で表現しないことには自分以外の人には伝わらない。そのため、仕方なく1つの言葉で表現しているだけということだ。
私は京極夏彦氏の言葉の使い方がとっても好きだ。小説を読んでいると「ひっかけ問題」のように感じる。でもその「引っかかった」後の答え合わせがゾクゾクして楽しい。
この小説もそんな感じの内容。
関連記事→ 京極夏彦の小説「死ねばいいのに」の話【エッセイ】
文章は難しいが勉強にもなる。わからない漢字や単語は調べたりして読んでいる。読むのがやめられない作家の1人だ。何度も読み返したくなる本を書いている。
ブログやSNSの言葉の使い方についても書かれているので、ぜひ一読してほしい。ブログを書く上でも絶対に参考になる。