外資系企業で「メンター制度」を取り入れているところがある。若手社員の相談相手となるベテラン社員を選び、若手社員の悩み相談に乗る制度。若手社員をメンティーと呼び、ベテラン社員をメンターと呼ぶ。
実は私もメンター制度に参加させられたことがある。その時すでに、入社して12年が経っていた。それなのにメンターじゃなくてメンティーとして参加させられた。
若手じゃなくて完全にベテラン社員だ。私のメンターは当時の営業部長。私が入社した当初、一緒に仕事をしていた男性。
そもそもメンターを会社に勝手に決められることが嫌だった。まったく尊敬できない人が私のメンターになったからだ。「なんで?」と何度も思ったが、会社が勝手に決めたことなので誰にも「なんで?」とは聞けない。
メンターとの面談が4回設定された。1回につき2時間。私が悩みを相談するのだが、そもそも相談することがない。
1回目は世間話で終わった。2回目か3回目ぐらいに私がその当時「この人は尊敬できるところがある」と思っていた男性二人の話をしたのだがそれがまずかった。
4回目の冒頭から「俺は誰かも尊敬されていない。何も特技がない。」と言い出して、愚痴り出したのだ。私が仕事ができると思っている男性二人とメンターはほぼ同期だったため、激しく嫉妬したみたい。
というか、私の悩み相談なのに、1時間ぐらいずっと愚痴を言い続けられた。仕方ないので「そんなことないですよー。みんな尊敬してますよ。」と言ってフォローし続けた。
結果として、最悪な感じで4回が終了した。
本当に疲れただけだった。そもそも12年も働いている私がメンティーになること自体がおかしい。自分の悩みは自分で解決できる力はある。なので相談することなんて最初からない。
悩みはあるけど組織上私の力ではどうにもならないことだ。そんな悩みはたくさんある。でも、メンターに相談したところでどうにもならない問題ばかり。それを解決できる力は私のメンターには残念ながらなかった。
このメンター制度は結局続かなかった。なんと一回で終了したのだ。ほとんどのメンティーから「メンターに相談することがない」というアンケート結果が出たからだ。
組織での悩みなんて相談してもどうにもならないことしかない。
もし本当に相談して欲しいなら組織のトップと話をさせて欲しい。人間関係の話をメンターに相談しても、ただの愚痴になる。そんなことは上司に相談したほうが早い。一体何のためにメンター制度をやったのかと思う。
せめてメンターを自分で選ぶことができれば、まだやる意味はある。仕事上で尊敬できる人がどんな考えで仕事を進めているのかは今後の参考にもなる。でも、尊敬できない人を勝手にメンターにされても、苦痛しかない。
メンター制度は嫌なら参加を断ることもできるが、断るとメンターに断ったことがバレる。結果として、今後の人間関係に響いてくる。最悪だ。
会社の中でメンターを選ぶなんて無理だろ。そもそも社内で尊敬できる人なんてほぼいない。この制度は本当に無駄だなとやってみた思ったので、メンター制度を取り入れる予定の会社はやめて欲しいと思う。
関連記事一覧→ 外資系企業あるある話