私は2020年5月末まで16年間、外資系の医療機器メーカーで働いていました。
辞める1年前からリストラされる人がどんどん増え、それと共に増えたのが「ウツ」で会社を休職する人です。
大きな会社なら「産業医」と呼ばれるドクターが週に何度か会社に来ます。その産業医に相談し、「仕事上でのウツ」と認められれば、その場で休職することができます。
もちろん「ウツ」なので上司はその人に会うことはできません。そのまま誰にも会わず、会社から家に直帰できます。そしてそのまま休職します。
本気で「ウツ」になる人もいます。ですが、とりあえず「ウツ」と診断され、産業医に相談すれば会社を2年近くお金をもらいながら休むことができます。それを狙って「ウツ」を装う人がいるのも事実です。
私と同じチームだった女性社員は、リストラが確定していたのですが、話が進む前に「ウツ」の診断を受け、産業医に駆け込み、会社を休職しました。
それはリストラを回避するためです。
リストラが回避できる上に、お金をもらいながら休めます。ほとぼりが冷めた頃に、会社に戻ればいいやと考えたようです。それを狙って産業医に駆け込んだのです。これは後から本人に聞きました。
結局、「悪質」と人事と上司にみなされ、2ヶ月後に双方話し合いの上、正式にリストラされました。そういう人も一定数でいます。
リストラが増えるとウツも増えるのは、上記の理由もあります。
ただ、リストラが会社で行われている場合、本気でウツになる人が多いのも事実です。
かなりの確率で疑心暗鬼になります。「どいつもこいつも私のミスを見つけてリストラしたがっている!」と思うようになります。
そうすると上司も同僚も信用できなくなります。周りは全員敵です。誰が人事に有る事無い事チクるか気が気ではありません。
そうすると勝手に心を病んでいき、結果「ウツ」になります。そして休職せざるを得なくなるのです。
どちらにしてもリストラが増えるとウツも増えます。外資系で働くのも楽ではありません。ということで、心療内科に行くと「ウツ」と診断されるのは、割と簡単です。あなたもとりあえず「ウツ」と診断されておけば、考える時間は稼げるかもしれませんよ。
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