外資系企業で16年間も働いていたので、時には本社から海外の社員を迎えてミーティングを行うこともあった。16年も外資系企業にいたのに、私は英語がまったく話せない。ヒアリングが少しできるぐらい。
そのため、私はミーティングに参加するけど黙って聞いているだけ。海外の社員と交渉するのは、英語が話せる社員かマネージャークラス以上の人になる。
デジタルマーケティングを日本に導入する際、私はデジタルマーケティング担当だったので交渉の場に参加していた。デジタルマーケティングのシステムを導入するにも、各事業部ごとにお金がかかる。
コストの話を海外の社員と女性マネージャーが交渉するのを黙って聞いていたけど、途中から私がイライラしてきた。
なぜなら、その女性マネージャーの交渉がめちゃくちゃ下手だったからだ。
英語はネイティブ並みで、かなり喋れるほうだと思う。でも、何度も同じことを繰り返し説明し、なかなか本題に切り込まないため、海外の社員も途中で交渉に飽きてきたのが見てとれた。ハッキリいうと完全に相手にバカにされていた。
「英語が喋れたら絶対に私のほうが上手く交渉できるのに。」と本気で思った。喋れないけど。
私も交渉が上手いわけではないが、それなりにはできる自信がある。
英語が喋れるだけのバカが外資系企業にはウヨウヨいる。英語が話せて、それなりの学歴や経歴があれば、そこそこの外資系企業には転職できる。でも、仕事ができない人が本当に多い。
なぜ仕事ができないことがわかるのかというと、母国語の日本語で話しても説明も交渉も下手だからだ。日本語での交渉が下手なので、どの部署と交渉しても揉めている。
日本人ともコミュニケーションが取れない人が、海外の人を相手にして、まともに交渉できる訳が無い。そういう例を数多く見てきた。
私は英語が話せないけど、メールでなら何とか交渉ができる。お金の話で交渉はしなかったけど、システム設計のことでメールでやり取りして何度か成功した。日本人でも海外の人でも、交渉方法に大きく変わりはない。
交渉能力が高い人は、英語がそんなに話せなくても上手く交渉できている。日本語で仕事ができる人は、海外の人相手でもやはり仕事ができる。英語が話せても、まったく何の役にも立たない人は外資系企業でいても使い物になっていない。
英語が話せるよりも、日本語で仕事がキチンとできる人を雇ったほうが業績が上がるんじゃないかとマジで思った。
「憧れの外資系企業でのお仕事です!」と、派遣会社の求人にはよく書いてるけど、憧れるほど素敵ではない。現実を見ると夢から覚めるかも。
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