集客ブログ記事の書き方・構成・SEO対策、販促用チラシやパンフレットの作り方・デザイン方法などを教えるDTPデザイナー歴20年以上のデザインコンサルタント 秋山アキラ

長年のデザイナー経験と自身のブログ集客の経験を活かして、集客できるブログ記事の書き方・構成・SEO対策、チラシやパンフレットのデザイン相談など、文章の書き方とデザイン方法をメインに教えています。外資系企業に16年勤務した経験から外資系企業にお勤めの人のお悩み相談にも乗っています。

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WebデザインとDTPデザインは何が違うのか?

そもそもWebデザインとDTPデザイン(印刷物のデザイン)は、まったく違います。

  • Webデザインは、ホームページなどのWebサイトのデザイン
  • DTPデザインは、チラシやパンフレットなどの印刷物のデザイン

 

Webデザイナーにチラシは作れません。Webデザイナーは印刷物のデザイン方法をまったく知りません。そのため、チラシやパンフレットの作り方などは一切知らないのです。

 

先日、Webデザイナーを目指している人から「近所の整体院からのぼりの作成をお願いされたのですが、どうやって作ればいいんでしょうか?」と相談されました。

 

「Webデザイナーをやっています」と知り合いに言うと、「じゃあチラシ作ってよ!」と見当違いなお願いをされたりします。

 

一般の人は「Webデザイナー」と聞くだけで「チラシやパンフレット、名刺のデザインもできる」と思っています。ですが、WebデザイナーとDTPデザイナーは同じデザイナーでも、やっていることが全然違います。

 

Webデザイン(Webサイト)とDTPデザイン(印刷物)とでは、

  • 表現できる色が違う
  • 画像の解像度が違う
  • サイズが違う(DTPデザインには塗り足しが必要)

 

まず、WebデザインとDTPデザインでは表現できる色の範囲が違います。

印刷物はCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の4色のインクの掛け合わせで色を出しています。ホームページやランディングページなどのWebデザインはRGB(レッド、グリーン、ブルー)の3色の光の掛け合わせです。そのため、表現できる色の範囲が全然違います。

 

もちろん色域が広いのはRGBです。Webデザインで表現できる色は、ほぼ無限です。一方、4色のインクの掛け合わせからできている印刷物の色の表現範囲は狭いです。

 

WebデザイナーにはCMYKの4色インクの概念がありません。「CMYKって何?」とCMYKの意味さえ知りません。そのため、Webデザインと同じ感覚で作ったチラシの色が想像した色とはまったく違う色で上がってきて驚く人もいます

 

DTPデザイナーは「カラーチャート」を持っています。CMYKのインクがそれぞれ何%なら、どんな色が出るのかを事前にチェックするための色見本帳です。これがないと話になりません。

 

次に、WebデザインとDTPデザインでは使用する画像の解像度が違います。

印刷物の画像の解像度は300〜350dpi(ppi)ですが、Webデザインでは72dpiです。

www.indetail.co.jp

 

最近のパソコンやスマホの画面はキレイに表示されるようになりました。パソコンやスマホの画面は基本的に小さい正方形が集まって、その1つ1つに色がついています。1つの正方形のことを「ピクセル」という単位で表しています。

 

インスタグラムにアップする画像は、Canvaなどで1080ピクセル×1080ピクセルで作れば、勝手に72dpiの解像度になってくれます。ですが、印刷物で使用する画像の解像度は72dpiでは小さすぎます。

 

例えば、72pdiで100ピクセルの正方形の画像をパソコン上で表示すると一片の長さは「3.53センチ」です。その画像を印刷物で使用する場合、350dpiに画像を変換する必要があります。そうなると、A4用紙に載せた時の画像の大きさは「0.73センチ」となり、1センチにも満たない画像となります。

 

もし、72pdiで100ピクセルの画像を印刷物で10センチの大きさに引き伸ばした場合、ボケボケのジャギジャギした画像が印刷物として上がってきます。見られたものではありません。この現象をDTP業界では「ジャギる」と言います。

 

最後に、印刷物には必ず塗り足しが必要となります。

Webデザインはサイズ通りにデザインすればいいですが、印刷物のデザインは紙や布に印刷するため「裁断する」作業が必ず発生します。

 

そのため、名刺やA4のチラシを作成する場合、サイズピッタリには作りません。外側に3mmの塗り足しが必要となります。なぜかというと、裁断する際に「裁断ズレ」が起きるからです。内側と外側にそれぞれ3mmの塗り足しを作って印刷物を作成します。

 

Webデザイナーには塗り足しの概念がありません。そのため、サイズピッタリに作ってしまい、裁断ズレが起こった際には、ズレた部分だけデザインが無い状態になっています。

 

私にのぼりの作り方を聞いてきたWebデザイナー志望の方も、まったく上記3つのことを知りませんでした。DTPデザインの方法を簡単には説明しましたが、時間がなかったため詳しい作り方までは教えていません。たぶん、最初は失敗するだろうなと思います。

 

Webデザインはスクールに通っただけでできますが、DTPデザインは実際にどこかのデザイン会社に就職して技術を身につけないと、スクールに通っただけではプロにはなれません。

 

なぜなら上記に書いた以外にも、もっと複雑なことが複数あるからです。紙の種類、紙の厚さ、特色インクなど、現場で働かないと身につかないことだらけです。実際に印刷物を何度も刷って、実物を見て経験を積んでいくしかありません。

 

WebデザイナーはDTPデザインもできると思い込んでいる人もいますが、実際はできません。必ず失敗します。Webデザイナーなのに、DTPデザインを頼まれて困っている人がいれば、いつでも相談してください。DTPデザイナー歴20年以上の私が直接教えますよ。

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