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大企業は属人化を嫌い、結果優秀な社員は会社を辞めていく【エッセイ】

私はアメリカの外資系企業で16年間働いていた。

 

私が入社した当初は「属人化(企業などにおいて、ある業務を特定の人が担当し、その人にしかやり方が分からない状態になることを意味する表現)」が歓迎されていたが、6年ほど前から属人化が嫌われ「標準化」する傾向が強まってきた。

 

企業が属人化を嫌うのはよくわかる。特定の人にしかできない仕事があると、その人がいなくなってしまうと業務が進まなくなるからだ。特定の個人に頼っているのは作業効率を考えても悪い。

 

そのため、業務の効率化を進めるために、誰にでもできるようにマニュアルを作って、それを元に業務を進める方向に切り替わっている。

 

だけど、私が前の職場で人の動きを見ていて思ったことがある。

 

業務を標準化すると仕事ができる優秀な社員は会社を辞めていく。逆にいえば、優秀ではない社員だけが会社に残るようになる。

 

これが結構悲惨。

 

マニュアル化するとうことは、ほどんどの場合で業務の質が落ちる。効率は良くなる代わりに質が落ちるのだ。

 

そうすると、優秀な社員のモチベーションが下がる。

 

優秀な社員は、業務の質を高い状態で維持していることをモチベーションとしている人が多い。業務の質が落ちても効率化を求める動きが高いと、優秀な社員はその会社で働く意義を見いだせなくなる。

 

結果、会社を辞め、自分の力を必要としてくれる会社に転職する。そして、働きたくない社員ばかりが会社に残っていく。

 

私が働いていた外資系企業が今まさにその状態になっている。優秀な人材がどんどん辞めていっている。会社としてもそれを歓迎しているように見える。

 

会社として考えれば、それは当然だ。誰にでもできる仕事なのに優秀な社員に高い給料を払って抱えておく必要はどこにもない。今はそれで正解だと思う。

 

けど、長い目で考えればどうだろうか。

 

働かない社員を多く抱え、誰にでもできるようにマニュアル化した仕事だけをする会社にこの先もずっと需要があるのかと思う。短期的に見ればランニングコストも下がるが、3年後5年後を考えると会社自体がボロボロになっていく可能性がある。

 

そんな会社が今かなりあるのではないかと私は考えている。

 

標準化することは悪いことではない。だが、高い質を保った状態で標準化ができる企業が少ないことが問題だ。

 

標準化するにあたり、質を考える企業はほとんどないのではないかと思う。

 

多分、小規模な会社のほうが高い質を保った状態で標準化ができている。人数が少ない分、情報共有やスキルの標準化がしやすいからだ。

 

そのため今後は、大企業よりも中小企業に優秀な社員が流れていくことが考えられる。自分の実力が発揮でき、なおかつ標準化するにしても人数が少ない分、高い質を保ったまま標準化できる。

 

私も前の会社よりも規模が小さい会社から声を掛けられることがある。他の社員も優秀な人は早めに見切りをつけて、自分の実力が遺憾無く発揮できる会社に転職している。

 

属人化が良い訳ではないが、ただ標準化すれば良いというものでもない。大きな会社であればあるほど、その兼ね合いが難しいのだろうと思う。今後、属人化と標準化がどうなっていくのかを見守りたい。

 

続編の記事を書いたので、興味ある人はお読みください。

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